分詞構文の正体とは?【前編】ネイティブ視点で分かりやすく解説

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英語を勉強していると、
分詞構文っていう訳の分からない項目がありませんか?

今日は、この謎の文法項目、
分詞構文の正体を暴きます!!

分詞構文ってどんなのか、
忘れている人もいるかもなので、
どんなものか念のため言うと、

一般的によくあるのが、
「以下の文を分詞構文に書き換えなさい」
とか言われて、

↓このような文を、

She ran away when she saw me.
(私を見るなり、彼女は逃げていった)

↓このように書き換えさせられます。

She ran away seeing me.

書き換え方は、そんなに難しくはありません。

一般的な参考書に載っているのと同じですが、
以下の3ステップで書き換えれます。

① 接続詞を消す
② 主語を消す
③ 動詞を~ingにする

今の例文でいうと、

① 接続詞を消す
She ran away (when) she saw me,.
        ↓
She ran away she saw me .

② 主語を消す
She ran away(she) saw me.
       ↓
She ran away saw me.

③ 動詞を~ingにする
She ran away(saw)me.
      ↓
She ran away seeing me.

これで、書き換え完了です。

ちなみに、「seeing meの部分は移動可能です。

に置いて、
Seeing me, she ran away.
としても、OK。

または、主語(she) と 動詞(ran) の間に置いて、
She, seeing me, ran away.

としても、OKです。

なので、置ける場所は、3つ。
①後ろ、②前、③SとVの間です。

①後ろ
She ran away seeing me.

②前
Seeing me, she ran away.

③ SとVの間
She, seeing me, ran away.

「位置が3パターン動かせる」っていうのが、
後でポイントになってくるので、覚えておいて下さい!

 
んで、大事なのはここからで、
「一体、何のために分詞構文に書き換えてるんの!?」って思ってる人、
多いんじゃないでしょうか?

実際に、高校生を教えていると、
「分詞構文が、謎すぎて分かりません」
「分詞構文が意味不明です」
「分詞構文が難しいです」・・・など
という声をよく聞きます。

 

ではこの、分詞構文の正体とは?何なのか。

 
今から、この分詞構文のニュアンスを
日本語で体感してもらおうと思います。

以下のAとBの2つの文を読み比べてみてください。

薄暗い廃墟の中を私はただ1人歩いていた・・・。

A 『突然、物音が聞えたので私は振り返った。そこには男が立っていた。』

B 『突然、物音が聞え、振り返った。そこには男が立っていた。』

いかかでしょうか?
2文の違い、体感して頂けましたか?

ちなみに、Aが、英語で言う分詞構文が無い普通バージョン
Bが、分詞構文ありバージョンです。

この2文、どこが違うかというと、
↓この部分だけで、それ以外は同じです。
A『物音が聞えたので私は振り返った』
B『物音が聞え、振り返った。』

これ、何をやっているかというと、
A から主語と接続詞を省略すると、
B になります。

私は ⇒ I (主語)
~ので ⇒  because (接続詞)

 
分詞構文の作り方をもう一度思い出してください。

① 接続詞を消す
② 主語を消す
③ 動詞を~ingにする

さっきのAに、この①②をすると、Bになります。
ちなみに日本語には~ing形がないので、③は無視しましょう。

なんか、少し話がややこしくなりましたが、
ようは、Aが分詞構文無し
Bが分詞構文ありだと思って下さい。

 

さて、本題はここからです。
この2文、どのような違いを感じますか?

薄暗い廃墟の中を私はただ1人歩いていた・・・。

A 『突然、物音が聞えたので私は振り返った。そこには男が立っていた。』

B 『突然、物音が聞え、振り返った。そこには男が立っていた。』

臨場感があるのは、どちらでしょうか?

ホントにあった恐~い話などをする時は、
聞き手に、なるべく臨場感を味わって欲しいですよね?

臨場感を出すには、AとBどちらを使いますか?

 

Bの方が臨場感を感じませんか?

 

50人くらいの教室で
「どっちが臨場感ありますか?」と聞くと、
だいたい9割くらいの方がBの方に手を上げてくれるのですが、
大丈夫でしょうか?

 

では、ここから、いよいよ分詞構文の本質に触れて行きましょう!

なぜ、Bの方が臨場感を感じるのでしょうか?

Bは2語、省略されています。
つまり、Bの方が、Aより
『2語無い分、分かりにくい』ってことです。

 

すると、分かりにくいので
聞き手は、「ん?!何で物音が聞えたんた!?」と、
無意識に緊張感が一瞬、高まります。

 

そして、
ほんの一瞬フワッと聞き手の緊張感が高まったタイミングで、
『そこには男が立っていた』
と、一番盛り上がる場面をドーン!っと持ってくると、
「ぎゃー!!怖いー!!」って臨場感がより増す訳です。

つまり、
分詞構文の正体は、
省略することで、意味をボンヤリ分かりにくくさせて、
臨場感を高めるための手法なのです!

 
現に、物語や小説などを読むと、
分詞構文がよく出てきます。

数年前にチャーリーとチョコレート工場の映画を観ながら、
原作の洋書を読むリーディングの授業をしていたことがあったのですが、
もう、分詞構文のオンパレードでした 笑

 

重要なので繰り返しますが、分詞構文の本質は、
『意味をわざとボンヤリ分かりにくくさせて、臨場感を高めること』です。

なので、分詞構文を見て、
「何これ!?分詞構文、難しい…。」
「読みにくい…。」
ってなるのは、ある意味当たり前なのです。

そして、ここに、日本の英語教育の問題点があります。

一般的な学校では、
分詞構文は、『作り方の逆の手順を考えて読みなさい』と教えられます。

一応、学校で習う読み方を説明すると、(このやり方は覚えなくていいですよ)

作り方(これの逆の手順を考えて読む)
① 接続詞を消す
② 主語を消す
③ 動詞を~ingにする

つまり、↓このような分詞構文を見たら、
She ran away seeing me.

省略されている、主語と接続詞を考えて、
動詞(この場合はSeeing)の時制を元に戻して文の意味を考えなさい!と教えられます。

She ran away seeing me.
        ↓[消えてる主語]を復活
She ran away [she] seeing me.
        ↓《消えてる接続詞》を復活

She ran away《when》she seeing me.
        ↓時制(Seeing)を元に戻す
She ran away when she (saw) me.

このように分詞構文を元の普通の文に戻してから、
意味を考えなさいって教えちゃうんですよ。

現に、普通の参考書などでも、
『次の分詞構文をもとの文に書き換えなさい』みたいな問題がよくあるんです。

で、分詞構文の本質は、
『意味をわざとボンヤリ分かりにくくさせて、臨場感を高めること』なので、
そんなことしては、いけないんです!!

正しくは、
「わかりにくいな~」って思いながら、何となく読むんです!

とは言いつつ、
文意を見失っては意味がないので、
分詞構文を簡単に読むコツを、今からご紹介しますね。

 

ネイティブスピーカーが分詞構文をどのように理解しているかというと、
~ing形なので、
「ある状況と同時に~ingが起こっている!」という感覚で捉えています。

例えば、今の例文だったら、
She ran away seeing me.

She ran away(彼女は逃げて行ったんだ)
という文に、

seeing me.(僕を見ると、同時にね(~ing) )
という情報をポンッと足している感覚で捉えます。

 

話し手は、
She ran away (彼女は逃げて行ったんだ)
という状況と同時に、
こんな動作を彼女はしていたんだよ!って
ポンッ!と情報を付加している感覚です。
seeing me(僕を見るなりね)

そして、ポンッ!と情報を付加するときに、
when she saw me ではなく、
seeing me 
と、敢えて、接続詞や主語を省略することで、
より、その同時進行の臨場感を増させているんです。

伝わってますかね?

 

ちなみに、
情報をポンッ!と付加できる場所は、前半で言ったように、
①後ろ
②前
③SとVの間
以上のの3パターンです。

 

①後ろ:
She ran away (seeing me).

②前:
(Seeing me), she ran away.

③ SとVの間:
She, (seeing me), ran away.

この3つのうちのどこかに、

ポンッ!まさにその瞬間に起こっている出来事を、
臨場感ある~ingで付加する感覚です。

 

なので、読むときは、「~のとき、~だから」などの意味関係はあまり気にせずに、
「その瞬間、同時に~している」という情報が、
ポンッ!と付加されていると思って理解するのが一番感覚としては、
ネイティブに近いと思います。

目指して欲しいのは、このネイティブの感覚なのですが、
どうしても頭の中でまだ和訳してしまうって人は、次のような方法があります。

今から言う方法は、
英語の予備校界隈で有名な関正生という先生がいるのですが、
その関先生が、この本の中で言っている分詞構文の読み方です。

この先生の説明、なかなか英語の本質を突いてて素晴らしいなと思います!

どのような方法かというと、
まず、ポイントは、『分詞構文の位置』で訳し方を決めます!

分詞構文が、
①前にある時と、
②真ん中(SとVの真ん中)にある時は、
「~て」「~で」と訳します。

そして、
③文の後ろある時は、
「~しながら」または、「そして」と訳す。

 

例えば、先ほどの例文、
Seeing me, she ran away.
分詞構文(Seeing me)が、前にあるので、
「~て」または「~で」と訳します。

Seeing me,
「私を見て」

続きはそのままです。
she ran away.
「彼女は逃げて行った」

OKでしょうか?

もし、S(she)とV(ran)の真ん中にある時も、同じように読んで下さい。
She, (seeing me) , ran away.
彼女は(私を見て)逃げて行った

 

そして次に、
③つ目の「文の後ろある」パターンの時は、
「~しながら、そして」と訳します。

例えば、
I’ve spent all morning cleaning up after the party.
I ( S )
‘ve = have ( V )
の後ろに分詞構文 ( cleaning~ ) があります。

I’ve spent all morning (cleaning up after the party).
              ↑(分詞構文)

なので、
cleaning up after the party.
の部分は、分詞構文なので「~しながら」と訳します。

 

なので、読み方は、前半は普通に
I’ve spent all morning
(私は午前中を過ごした)

そして、ここからが分詞構文、

どのように過ごしたかというと、
cleaning up after the party.
(パーティーの後片付けをしながら)
って感じです。

読み方、OKですかね?

一応、2つの読み方を説明したので、まとめておくと、
1つ目のネイティブ感覚の理解の仕方は
「その瞬間、同時に~している」という情報が、ポンッ!と付加されていると思って理解する。

2つ目、1の方法がどうしても難しく感じる場合は、
以下のように和訳する(関先生流)
分詞構文が、
①前にある時と、②真ん中(SとVの真ん中)にある時は、
「~て」「~で」と訳す。

③文の後ろある時は、「~しながら」または、「そして」と訳す。

ちなみに、なぜこのように訳せばうまくいくのか、
ネイティブの感覚視点で次回、語りたいと思います。

↓後編です
分詞構文の正体とは?【後編】ネイティブ視点で見た分詞構文

 
ではでは、今日はこの辺で!

てぃじー

 

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    • 匿名
    • 2017年 4月8日

    本当にわかりやすくて助かります!
    英語苦手意識しかなかったのですがこちらのサイトを見つけて案外簡単なんだと思ってきました!
    ありがとうございます♪

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職業:英語講師
昔は英語が苦手でしたが、英語がペラペラになる夢が忘れられず、豪に留学。そこでネイティブの感覚を知り、英語が得意に。今はそのネイティブの感覚を様々な場で教えています。 詳しくはこちらを読んでみて下さい TZ(てぃじー)物語