もくじ
ネイティブは現在完了の3つの用法なんて気にしてない!
『 have + 過去分詞(動詞の3つ目の形)』を現在完了形と呼びますが、
よくある日本の英語教育では、
この現在完了を3つの用法に分けて、非常にややこしく説明しています。(覚えなくていいですよ)
<継続>・・・「ずっと〜している」
<経験>・・・「〜したことがある」
<完了>・・・「〜したところだ」
僕は高校生の頃、
この3つの用法の見分け方が分からなくて、
「現在完了って、なんて難しいんだ…。」と思っていました。
しかしですね、
ネイティブスピーカーは、
こんな3つの用法なんて全く気にしていません!
ネイティブは、これらの3つの用法を一切使わずに
この現在完了を非常にシンプルな1つイメージで、
理解しています!
今から、このネイティブの現在完了の感覚を見ていきましょう!
ネイティブの現在完了のイメージとは?
想像してみて下さい
大きいボールが、
いきなり、グーンッ!!って飛んできました。
それを、あなたはドッカーンッ!っと
受け止めています。
はい、
これが、ネイティブの現在完了の感覚です。
大事なので図を見ながら、
現在完了のイメージを、もう一度
下の文章を読んでイメージして欲してください。
“過去の出来事” っていうボールが、
現在に向かって”グーンッ!”と迫ってくる。
そして「今」の位置で、迫ってきたその”ボール”を
”ドッカーン!”って受け止めている。
という感覚です。
どいういうことかと言うと、
例えば、
ポケットに入れていたはずの
財布が無いことに気づいて、
「うわっ!やばっ!サイフ無くした!」
って言うときは
(現在完了)
I have lost my wallet.(サイフ無くした)
となります。
この場合、
【ボール】=【財布を無くしたこと】
● 過去のある時点でサイフを無くした。
(ボールは過去にある)
● あれ?財布どこ?って探す。
(ボールが現在に向かって迫ってくる!)
● うわっ!財布無い!最悪だ~!!無くした!
(ボールをドッカーン!って現在、受け止めている。)
ポイントは
財布を無くしたのは「過去」。
そのせいで「今」、困っています。
ほら、「サイフを失くした」という過去の出来事を
今、「持っている」っていう感じしませんか?
現在完了って『have + 過去分詞』ですが、
『過去分詞(つまり過去の出来事)を have (今持っている)』っていうのが、
本来の意味なんです。
ここまでOKでしょうか?
現在完了と過去形の違い
ここで、「現在完了と過去形って何が違うの?」と思ったあなたは、
実に良い視点です。
「サイフを失くした。」という日本語を英語に訳すと、
現在完了と過去形の両方で書くことが出来ます。
● I have lost my wallet.<現在完了>
● I lost my wallet.<過去形>
この違いを一言でいうと、
サイフを失くしてしまって、「今困っているかどうか」です。
● 現在完了:~した(状態に今ある)
● 過去形: (過去のある時点で)~した
どちらも「~した」と訳されますが、
ポイントは、現在完了は「~した状態に今ある」というニュアンスがくっつきます。
現在完了って「過去の行動」が「今」に影響をおぼよしている時制なんです!
「過去の行動」ボールを、「今」キャッチしている感覚です。
それに対して、
過去形の感覚は
『遠くにあるボールを眺めている』
ただ単に「過去のある時点で~した」と言っているだけです。
「時間的に遠く離れた所」を見ているイメージです。
単に「過去の行動」を言っているだけで、
今に影響を与えているニュアンスはありません。
例えば、
「私、初めて海外に行った時に
サイフ無くしちゃったの!」という時は
(過去形)
I lost my wallet.(サイフ無くした)
となります。
理由は
財布を無くしたのは、過去のある時点。
今は、別にそのせいで困ってる訳ではありません。
「あの時は大変だったな~」っという感じです。
現在の位置から昔を思い返しています。
(現在から過去を眺めている)
これは、過去形のイメージにあてはまっています。
ちなみに過去形って”今は違う”っていうニュアンスを含むことがあります。
例えば
I loved you.(愛していた)
って言われたら、「今は愛していないんだ」って思いますよね?
過去形というのは
過去のある時点だけを表します。
今との関わりは無いのです。
それに対して現在完了は
過去と現在の両方を表します。
過去が今に影響を与えています。
「ヤバい、サイフ失くした!どうしよう…。」って今困っている時は、
現在完了です。
I have lost my wallet.
サイフ失くした(状態に今ある)
以上が現在完了と過去形のイメージの違いです。
どうでしょうか?伝わりましたか?
ちなみに過去形の感覚についてさらに詳しくは、
こちらをご覧下さい(過去形は距離間を表す)
3つの用法なんてない!
では、ここから、
用法に関係なく、全て現在完了形のイメージにちゃんと当てはまっているか、
見ていきましょう!
まずは、
この文を見て下さい。
I have been to India.
インドに行ったことがある。
この場合、
【ボール】=【インドに行ったこと】
● 昔、インドに行った。
(ボールは過去の位置)
● そのことを今思い出す。
(ボールが迫ってくる)
● 「行ったことあるんだよ!すごいでしょ?」と自慢する!
(行った経験を今、持っているぞ!と自慢)
この場合も視点はあくまでも「今」に置います。
「過去にインドに行った経験値」を「今持っているよ」と言いたい訳です。
「過去にインドに行った!っていう経験を今持ってる!
そんな私って凄いでしょ?」
って感じです。
伝わっているでしょうか?
では、さらにもう1文いきましょう!
We have been partners for 2 years.
僕たちは、2年間付き合っています
この場合
【ボール】=【付き合ってること】
● 2年前に交際スタート
(ボールは過去の位置)
● 1年前も付き合ってる
(ボールが迫ってくる)
● 今も付き合ってる
(今もボールを持っている⇒今も付き合っている)
「付き合っている」というボールが、
2年前から、グーンっ!と今にかけてやってきているから、
「2年間、ずっと付き合っている」という意味になります。
どうでしょうか?
イメージ伝わっているでしょうか?
3つの用法は、全て同じイメージ!
ちなみに、さっき上げた3つの例は、
従来の英語教育だと、
上から、「完了」「経験」「継続」という用法に分けられます。
「完了」I have lost my wallet.
サイフを失くした。
「経験」I have been to India.
インドに行ったことがある。
「継続」We have been partners for 2 years.
2年間付き合っている。
けれど、さっき説明した通り、
3つの用法の根底にあるのは、
どれも、「過去の出来事というボールを、今受け止めている!」という
同じ1つのイメージなんです!
そして、ネイティブは、
この3つの用法を区別せず、
同じ1つのものとして捉えています。
彼らにとって、現在完了の意味は1つしかないんです!
ハッキリと用法に分けれない時もある
ネイティブは、現在完了に用法なんてないと思っています。
しかも実際の英語では、
ハッキリと用法に分けれない事もよくあります。
例えば、敢えて次の文を日本語に訳してみましょう!
The team has won 100 games.
すると、
「そのチームは今までに100勝している」(継続)でも
「そのチームは今までに100勝したことがある」(経験)でも
どっちでも訳せます。
このように、実際の英語では
「これは継続」「これは経験」ってハッキリ用法を分けれないことも多いのです。
そして用法なんて考えてたら素早く話せません。
なので、やはり大事なのは
イメージを持って感覚で理解する!ということです
では、今日は以上です。
最後までご覧下さり、ありがとうございます。
TZ(てぃじー)
あわせて読みたい関連記事
● 過去形は過去じゃない!?
● 現在形は今じゃない!
● 【知らないと損する!?】英語で一番大切な感覚とは
P.S.「もっと多くの人に暗記ではない、本物の英語を知って欲しい…」
そんな思いで『ネイティブの感覚を身に付ける』
全30日間の無料のオンライン講座を始めました!!
「ネイティブのような英語感覚を身に着けたい!」
「英語を英語のままで理解したい!」
「自由に英語を話せるようになりたい!」
「”ネイティブの感覚”という新しい視点から英語を学んでみたい!」
「昔学んだ英語を、使える英語にしたい!」
「暗記じゃない新しい方法で英語を学びたい!」
そんな方に、もってこいの無料オンライン講座です!
30日間、ほぼ毎日メール講座が届きます。
1日たった5分間、
好きな時間にメールを読むだけで、
30日後には、ネイティブのような英語感覚が身に付きます。
受講した方々から頂いたご感想の抜粋です。
●「スピーキングやリーディングが飛躍的にやり易くなりました!」
●「ネイティブの英語感覚を知って、何度も目から鱗が落ちました!」
●「英語を英語のまま感覚的に理解出来るようになりました!」
●「今まで上がらなかったTOEICスコアが一気に100点UPしました!」
●「英語の捉え方が180度変わり、以前よりも遥かに英語が身近に感じるようになりました!」
等など、沢山の嬉しいコメントを頂いております。
有難いことに、
2021年2月現在で、約6600名の方にご参加いただき、
大変盛り上がっています!!(システムの都合上、後もう少し人数が増えると締め切る可能性があります)
ご興味のある方は、是非お気軽にご参加ください!
ご参加は以下のフォームからできます!
いつでも簡単に配信停止(退会)できます。お名前はハンドルネームでもOKです。
ありがとうございました。現在完了形についてずっと調べておりました。日本では継続、経験、完了・結果、と3種類ならいますが、実際はネイティブの人たちはどんな感覚でつかっているのか不思議です。まだまだ本当の感覚は会得できませんが、説明を読んで理解を深めました。ありがとうございました。
すごいです。
現在完了の分をみると、胸にズドーンとくる感じがします。
この感覚は過去完了も未来完了もですか?
過去完了も未来完了も同じ感覚です!
時制が、前(未来)か後ろ(過去)にずれていると考えてみて下さい。
ありがとうございます!
いつも助かります!
本出したら絶対買うレベル!笑
ありがとうございます!
いつも助かります!
本出したら絶対買うレベル!笑
ありがとうございました。おかげで、現在完了のイメージがわかりました。実際、会話をするときに、このイメージどおりに現在完了と過去形を使い分けて話すのは、瞬間的にするのは、難しそうです。だんだんなれてくるのでしょうか?
初めてコメントします。
私も現在完了形など、言葉で説明されても訳が分からなくて英語って難しいなぁと思っていました。
しかし!感覚的に理解する方法があること自体知りませんでしたので、とても新鮮でわかりやすかったです!
ありがとうございます。
何て解り易いんだ!
ごちそうさまです!!
すごく分かりやすいです!
本当に本が欲しいレベルですね!
ありがとうございます!!
はじめまして。
いつも、なるほど〜と楽しく読ませていただいています。
現在完了と現在完了進行形の違いがよくわかりません。ご教授願います。
はじめまして。
かなり前の記事なのでTZさんは見られていないと思いますが、他の方でも誰か見ていただけたら教えてほしいです。
toとforのイメージの記事でtoは到達している矢印。forは向かっている矢印という内容がありました。
今回の例題で
We’ve been partners for 3 years.
とありますが、toではなく、forなのはなぜでしょう?
矢印は3年に到達していると思うのですが。
よろしくお願いいたします。